おばあさんは孫を呼びにいきました
ねぇ、孫や
大きなカブを引っ張りたいから
ちょっと来てちょうだい
は?いまムリ
孫、お願いよ
私がおじいさんを引っ張るから
あなたは私を引っ張ってくれないと…
いやだから今ムリなんだって!
ちょっと大事なところなの!
あなたは昼間からスマホばかり…
お願いだから手伝ってよ
本当に大きなカブで
最終的にはネズミの手まで
借りなきゃいけない予感なのよ
そんなにデカいカブなら
尚更手伝いたくないし…
絶対晩ご飯カブ三昧じゃん!
呆れたわ!
ほんとに何て子かしら!
さぁ来なさい!
おじいさんと私と一緒に
うんとこしょどっこいしょ
ってやるのよ!さあ!
いたたたた!放せババア!
カブの前に私の腕が抜けるわ!
そんな力があるなら
てめえ一人でカブくらい抜けんだろ!
抜けねえから呼びに来てんだよ!
もう我慢の限界!
孫の癖に働きもせず朝から晩まで
引きこもりやがって!
あんたにゃもう食事も出さないわよ!
聞けババア!
そういうのをな、虐待って言うんだよ!
こっちはな、持ち株が跳ねそうなんだ
それどころじゃねえんだよ!
カブは手伝えないけど株には夢中ってか!
そんな一攫千金あるわけないんじゃ!
目を覚ませばかやろう!
はぁ?
実際いま200万に届きそうなところだし!
え…そうなの?
そうだよ!
これに勝ったら焼肉連れてってやるよ!
ついでに段ボールいっぱいのカブ、
ネットでお取り寄せしてやるからな!
黙って待ってな!
さ、さすが私の孫ね…
さっきはちょっとカッとしちゃって
おばあちゃんったらごめんね!
ったく…
都合のいいばあさんだぜ…
おじいさん「誰も来ないなぁ…」
SILENT YARITORI
ちゅーへの手紙
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